KID TYPE3 EVOとは?
TRiNiDAD から発売されている KID TYPE3 EVO Tomoya Goto Model は、プロプレイヤー後藤智弥選手のシグネイチャーバレル「KID TYPE3」シリーズをベースにしたソフトダーツモデルです。
メーカー公式でも、
「多くの声をいただき実現した、KID TYPE3スティールモデルのソフトエディション。」
と紹介されており、もともとスティールモデルとして評価の高かった TYPE3 を、ソフトダーツ用に最適化したモデルという位置づけになっています。
公式説明では、次のようなポイントが強調されています。
- スティールとは異なり、全長46.0mm のソフト向け長さ 重量は 21.5g とソフトダーツで扱いやすい重さに調整
- 「グリップの安定感を出すために前方に縦カットを追加」
- 基本性能はそのままに、ソフトダーツにしっかり対応
つまり、TYPE3の素直な飛びと扱いやすさは維持しつつ、ソフト用として使いやすいように細かく調整されたモデルというのがメーカーから見たKID TYPE3 EVOの立ち位置です。
この記事では、そのメーカー情報に加えて、
- スペック(長さ・太さ・重さ・重心)
- カット構造(リア/センター/フロント)
- どんな悩みに合いやすいか
- どんなプレイヤーに「合いやすい」と考えられるかを、できるだけ分かりやすく紹介していきます。

KID TYPE3 EVO の基本スペック
まずは、メーカー公表値+そこから読み取れる“素性”を確認します。

| 全長 | 46.0mm | ストレートとしてやや短め |
| 最大径 | 6.8mm | 細すぎず太すぎない中心的な太さ |
| バレル重量 | 21.5g | ソフトダーツとしてはやや重め |
| 重心 | セミフロント(やや前寄り) | 前方向に押し出しやすい |
| 形状 | ストレート | |
| 材質 | タングステン95% |
KID TYPE3 EVOは「まっすぐ押し出しやすく、軌道が安定しやすいストレートバレル」という性格を持ったモデルと考えられます。
長さ・太さ・重さ・重心を深掘り
全長46.0mm ― 扱いやすさの中心帯
ソフトダーツのストレートバレルは、だいたいと以下の範囲に多く分布しています。
- 44〜46mm:扱いやすい短めの長さ
- 48mm以上:少し長めで、「ラインに乗せる感覚」を強くしやすい
46mm はこの中でも「標準ど真ん中」にあたる長さで、
- 長すぎて振り回されるほどではない
- 短すぎて“棒をつまんでいるだけ”という感覚にもなりにくい
という、扱いやすさと安定性のバランスがよい長さと言えます。
「ストレートを使ってみたいけど、極端な長さは少し不安」という人にとって、この46mmは現実的に使いやすいゾーンです。
最大径 6.8mm ― 細すぎず太すぎない“真ん中寄り”
最近は 7.3〜7.5mm といった太めのバレルも増えていますが、6.8mm はストレートバレルで「標準的な中心帯」に入る太さです。
この太さには、次のような特徴があります。
指の腹で“ガッツリ包む”ほど太くない。かといって、極端な「細身ストレート」というほどでもない
そのため、
- 余計な力を入れなくても持ちやすい
- 角度を決めるときに、太さが邪魔になりにくい
- ストレート初心者にも極端な違和感が出にくい
といった、「幅広い人が触っても大きく外さない」タイプの径になっています。
「指先で挟むための太さ」と言い切るのは言い過ぎですが、指先・第二関節付近のどちらでも持ち方の選択肢が取りやすい太さと言えます。
重量 21.5g + セミフロント重心
21.5g はソフトダーツでは「やや重め」の部類です。
重いバレルには、軽いバレルと比べて次のような特徴があります。
- 同じ初速なら、空気抵抗の影響が相対的に小さい
- わずかなフォームの乱れに対して、軌道が乱れにくい(慣性が大きいため)
また、セミフロント重心は、
- 前方向に押し出す動きと相性がよい
- 飛行中に矢先が自然とやや下を向きやすい(入りやすい)
という性質があります。
この2つを合わせると、「前に押し出した方向に、素直に伸びていきやすい」「軽いダーツと比べると、少しブレにくい」という傾向が期待できます。
もちろん、投げ方やフォームによって感じ方は変わりますが、構造としては“安定寄り”の性格を持っていると言えます。
KID TYPE3 EVOのカット構造(リア/センター/フロント)

KID TYPE3 EVO の大きな特徴は、前後でカットの性格がはっきり違うことです。
- リア:浅めリングカット(複合ピッチ)
- センター:控えめな加工(つなぎ)
- フロント:深めリング+縦カット(格子状)
という構造になっており、「どこを持つか」と「どこに指を添えるか」で役割が変わるように設計されています。
リアカット ― 支点としての安定+離れの軽さ

リア側には、浅めのリングカットが複数入っています。
ピッチ(溝の間隔)は完全な等間隔ではなく、わずかに幅の違うパターンが混ざっているように見えます。
ここから言えるのは、以下の点です。
- 山が鋭すぎない → 摩擦が強すぎない
- 溝が浅い → 指が深く噛みにくい
- ピッチがわずかに変化 → 触感の違いで「ここを持つ」と決めやすい
その結果として、
- 親指や人差し指の“支点”として位置決めはしやすい
- 離れの瞬間に指が強く引き戻されにくい
- リア側が“ロック”しすぎないので、前側のコントロールを邪魔しにくい
という性格になっています。
「がっつり噛むリア」が好みの人には物足りない場合もありますが、引っかかりによる失投を減らしたい人にはプラスに働きやすい構造と言えるでしょう。
センター ― 力の伝達を邪魔しない“つなぎ”

センター部分は、リアやフロントに比べると目立つカットが少なく、リアとフロントを自然につなぐ“中継点”としての役割が強いゾーンです。
- 太さは最大径6.8mmの流れの中にあり、急激な変化が少ない
- 摩擦が強すぎないので、ここで“角度を作る”役ではない
という点から、
「力を前に伝える通り道」「リアとフロントの役割を邪魔しないゾーン」
と考えるのが現実的です。
フロントカット ― 角度と向きを安定させるゾーン

フロント側には、メーカー公式にもある通り、「グリップの安定感を出すために前方に縦カットを追加」された部分があります。
構造はは、 『浅めのリングカットに縦方向のカットが入った格子状のテクスチャ』となっており、リアよりも明らかに強いカットです。
この構造は、次のような働きをしやすいと考えられます。
- 中指や薬指を添えたときに 横方向の滑りを抑える
- リリース直前の 角度の変化(寝る・立つ・横に倒れる)を小さくしやすい
- 前寄りグリップの人にとっては、メインのグリップゾーンにもなり得る
特にストレートバレルでは、「角度が毎回少しずつ変わってしまう」という悩みが生まれやすいのですが、このフロントカットは、その問題を構造的に補助する役割を持っていると言えます。
KID TYPE3 EVO が解決する悩み
ここからは、プレイヤーが実際によく抱きやすい悩みをベースに、「このバレルのどの部分が、どの悩みに対してプラスに働きやすいか」を整理してみます。
悩み1:リリースで引っかかる・抜けが重い
原因になりやすい要素
- リアカットが深すぎて、指が噛み込みやすい
- 山が鋭すぎて、離れ際に“引き戻し”の力が生まれる
KID TYPE3 EVO がプラスになりやすい理由
- リアは浅めリング+丸めの山 → カットが食い込みにくい
- 溝が極端に深くない → ダーツが離れやすい
- セミフロント重心&21.5g → 前方向に素直に抜ける軌道になりやすい
「深いリアで引っかかりやすい人」にとって、構造的に抜けを軽くしやすいタイプのリアと言えます。
悩み2:角度が安定しない(寝たり立ったりする)
起こりやすい原因
- フロントに情報が少なく、添え指が“滑る”
- 手首や指先で、毎回角度を微調整しようとしてしまう
KID TYPE3 EVO がプラスになりやすい理由
- フロントの深めリング+縦カット → 中指や薬指が角度を支えやすい
- 縦カットが横方向の滑りを抑え、余計な回転が入りにくくい
- セミフロント重心と組み合わさり、決めた向きに飛びやすい
これにより、「毎回、なんとなく角度が変わってしまう」というストレート特有の不安を、構造レベルで少し減らしてくれるバレルだと考えられます。
悩み3:軽いバレルだと飛びが暴れやすい
起こりやすい原因
- 軽いバレルは慣性が小さいため、手や指の小さなブレが、そのまま軌道に出やすい
KID TYPE3 EVO がプラスになりやすい理由
- 21.5g の重量 → 慣性が大きく、空気抵抗の影響を受けにくい
- ストレート形状&46mm → ダーツのラインをイメージしやすい
- セミフロント重心 → 押し出した方向に“素直に”進みやすい
もちろん、重くなれば何でも安定するわけではありませんが、軽量なバレルで「暴れる」と感じている人が、重めのバレルにすることで軌道が落ち着くケースがあります。
悩み4:ストレートが難しい(再現性が出ない)
よくあるつまずき
- 「どこを持つか」が毎回変わってしまう
- 太さ・長さ・カットが“フラットすぎて”、目印がない
- 結果として、グリップ再現性が低くなる
KID TYPE3 EVO がプラスになりやすい理由
- 長さ46mm & 6.8mm径 → 極端さの少ないストレート形状
- リアの複合ピッチ → 触感の違いで“自分の位置”を決めやすい
- フロントの格子カット → 角度を支える役割が明確
「ストレートを試したいけど、あまり尖ったスペックは避けたい」という人にとって、入り口として現実的な選択肢になりやすいモデルです。
どんなプレイヤーに「合いやすい」と考えられるか
ここはあくまで構造からの推測であり、実際には手の大きさ・グリップ・フォーム・筋力などで変わります。
「絶対にこう」という話ではなく、「こういう特徴を求めている人には、プラスに働きやすい」という“傾向”として読んでください。
合いやすいプレイヤー
- ストレートに興味があるが、極端なスペックは避けたい人
→ 長さ・太さともに標準帯で、扱いやすい - リリースでの引っかかりを減らしたい人
→ リアが浅めで、抜けが重くなりにくい構造 - 角度のブレ(ダーツの寝・立ち)が気になる人
→ フロント格子カットが、添え指で角度を支えやすい - 軽いバレルで暴れやすいと感じている人
→ 21.5g+セミフロント重心で、軌道の安定が期待できる - 「クセが出すぎるストレート」は避けたいが、ストレート特有のまっすぐ感は欲しい人
→ カットの役割分担により、ストレートの自由度を少し“ならして”くれる構造
まとめ
最後に、この記事の内容をまとめます。
⬜ スペック
- 全長:46.0mm(ソフト用ストレートとして標準帯)
- 最大径:6.8mm(細すぎず太すぎない中心的太さ)
- 重量:21.5g(ソフトとしてはやや重め)
- 重心:セミフロント(前寄り)
⬜ カット構造
- リア:浅めのリングカットが複数、ピッチにはわずかな変化
- センター:目立った強いカットはなく、リアとフロントをつなぐゾーン
- フロント:深めリング+縦カット(格子状)、メーカー公式でも「前方縦カット追加」と明記
⬜ 構造から推測する特徴
- リアは、 グリップの位置が決めやすく、ダーツが離れるのが重くなりにくい
- フロントは、添え指で角度や向きを支えやすい構造になっている
- 21.5gの重さとセミフロント重心は、押し出した方向に素直に進みやすく、軽量バレルより軌道が乱れにくい傾向がある
⬜ 一言でまとめると
「ストレートを使いたい人が、扱いやすさと安定性のバランスを取りやすいモデル」
「角度のブレやリリースの引っかかりを減らしたい人に、とくに合いやすい設計」
気になった方は、ぜひ「KID3 EVO」を投げてみてください!
